愛は惜しみなく与う⑥
杏が寝た

息してるのか心配になるくらい静かに眠る


はぁ


疲れた


身体も勿論、精神的に疲れた


隣で眠る杏
俺も眠いんだけど
寝たら起きれなさそうだ。それに、誰か部屋に入ってきても困る。


俺がこの部屋に入る時に使った窓を見る

ご丁寧に入れるように格子が外れていた。志木さんだろうな。
こうなるかもしれないと、予想してたのか。


それに、鍵を渡されたとき、どうして杏の部屋じゃなく、妹の部屋なんだと…
疑問に思ってたけど

そういうことか


杏は…妹のフリをしてたんだな



俺はこれに気づいたのは、東堂家の使用人入り口から、意を決して入ってからだ。


志木さんが、この鍵を使えば、私の代わりの人が来たと分かるはずです。と言うから、言われた通り、スーツをきて入り口から入る


そこで、雑用をいっぱいした。
いや、ほんと執事って大変だなって思った。
紅茶の淹れ方レクチャーが1番長かった。

そして、お前誰だ!とか聞かれないことに驚いた。


志木さんの言う通り
東堂の人は他人に興味がない
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