愛は惜しみなく与う⑥
「よし!今日は一旦寝ろ。また明日ここへ来い。その時に話をしよう」


は?明日?
なんの話だろうか。この人も…
杏を救おうてしてるんだよな


「名前なんだっけ」

「泉です」

「泉か、志木より役に立てよ」

「…はい」

「で、志木は何してるんだ?」


言っていいのか?まぁ、この人の目の前で、テキトーな嘘つく勇気もない。


「杏の妹さんに、刺されて入院中です」


そう言うと、雄作さんは大爆笑した。
ん?心配するところじゃねーの?


「あのバカ!とうとうやらかしたか!女ほど怖い生き物はないって教えてやったのに!刺されたのか、あの小娘に。ハハハ」


笑える怪我でもなかったけど…
志木さんが刺されて笑う目の前の組長は、ゲラゲラと大きな声で…


「あーおもしれぇ。そうかそうか。だから連絡返して来なかったんだな」


これで杏を救う計画に穴でも空いたら、殺してやるところだった


最後にそう付け加える
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