愛は惜しみなく与う⑥
頭を下げて部屋に戻ろうとした


けど、身体が動かなかった


ガシッと肩を掴まれる

え…

嫌な予感は当たった



「泉って言ったな!!お前!漢だな!気に入った!でも、杏は嫁にやらねー!!」


は?
何もそこまで言ってな…うわ!!

強引に肩を抱かれ、俺は完璧にヤクザに絡まれてる状態

もう、なんなんだよ…


「お前の気持ちはよーくわかった!東堂組から好きなだけ人を使って動かせ!お前に好きなだけ与えてやる」

「ちょ、ちょっと待ってください。俺、とりあえず寝なきゃ…」


そんな俺の願いもむなしく、強引に連れ去られて、別邸のようなお屋敷に引きずられる


見たらわかる


ヤクザの家だ



入り口にの大きな柱に


『文武両道』


と書かれてる。いや、ここは学生の部室かよ!ヤクザのスローガンにしてはおかしいだろ。


「雄作さん、待ってください」

「おうおう。俺らは仲間だから」


は?仲間?ちょっと…普通に生きたいのに…
抵抗しても俺の力を上回る力で押さえつけられる。
命の危険を感じる…
< 79 / 430 >

この作品をシェア

pagetop