愛は惜しみなく与う⑥
突然、娘同然の存在が、殺されたとなり…行方不明で…失踪で片付けられたと聞いている。

そんなの…無理だよな

考えただけで苦しくなる


「ただ助けたいとか、軽い気持ちなら、今すぐ帰れよ」


出会って日も浅い俺が、何言ってんだと言われるかもしれないし、そう思われても仕方ないのかもしれない

でもひとつだけ言えることがある



「俺はサトルに勝ちますよ」



負けない。絶対に。杏が俺の手を取ってくれたから。

シーンとその場が静まり、生意気なこと言うなと殴られるかと思った
でも違った


「ありがとう」


そう言われた

笑った雄作さんは、優しい父親の顔をしていた


そして俺は




「よぉ兄ちゃん!男前だな!嬢の彼氏か?」


全く…どいつもこいつも…


「兄ちゃん背たけーな!喧嘩もつよいんか?手合わせしてくれや」


宴会モードの輩達に、絡まれまくる。
あの後、歓迎だと言われて、部屋の明かりがついたと思ったら、机に料理も並びだし、酒もたくさん運ばれてきた
いや、お願いだから

寝かせてくれよ…
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