愛は惜しみなく与う⑥
うぅ…おっさんの抱擁は嬉しくない。
雄作さんのガタイのいい身体に顔を押し付けるハメになった
苦しい…
「如月家に乗り込んでどうする!そこのままそこで殴るのか?」
「んー…俺自身、サトルに会ったことがないからよく分からないんですよね」
どこまで会話ができる奴なのか、如月財閥の人たちは息子のそういった面を知ってるのか。
その辺りが全くわからない
「杏が欲しいんだろ?とりあえず、やらねーよって、言いにいく。周りの雑魚は、貴方たちが何とかしてくれるんでしょ?」
「ま、まぁそうだけど。お前も頭おかしいな」
おかしくなるよ、こんな状況さ
「逃げも隠れもしないんだ。真正面からぶつかるよ」
変な小細工もなしだ
「ちゃんと抗争するにしても…こっちの準備もあるからな?警察を引っ張るの時間がかかるんだよ。証拠も集めなきゃいけねぇ」
…俺はその辺は分からないからな。
新や志木さんが居てくれると、楽そうだけど
でも大丈夫
負ける気もしない
「明日はちょっと寝不足でしんどそうなんで、明後日に…行きます。その場で何も起こらないようにするつもりですけど」
向こうがどう動いてくるかだ