愛は惜しみなく与う⑥
ありがとうともう一言言おうとしたら、あたしを見て、あっと小さな声を漏らした

ん?

「どうかした?」

「え?あ、いいえ、なんでもございません。失礼します」


いや、なにそれ!そんな反応されたら気になるやん。


「おしえてよ!気になる」

「あぁ…すみません。…でも奥様に、鈴様とあまり話すなと言われておりまして…」


素直な人やな。そこは正直に言わへんところやで?
母上はあたしが極力、人と接触しないようにしているらしい。

どこにも行かへんのに…


「喋ってくれる人もいなくて寂しいんだけどな」

そういうと、あぁどうしよう。と困った顔をした。
これ以上は可哀想か。
もういいよ。そう言おうとすると、「あの…」と小声で話してくれた


「ネックレス…可愛いですね。昨日は着けて居なかったんで…ついつい、あっと声を出してしまいました」

すみません

最後にそう付け加える 


ネックレス…
 
自分の首元を触り、普段つけないアクセサリーが着いてることに驚いた
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