愛は惜しみなく与う⑥
でもまぁ
志木は無事や。絶対に

刺されたくらいでへこたれるよう奴ではないやろ。あたしは志木のしぶとい生命力を知ってるから。

あー
なんか元気出てきたな


ここまでくると、吹っ切れるよな〜
味方でいてくれる人がおるからやろな


鈴は…あたしに会ってくれるんかな。

あたしが襲わせたとずっと思ってたんやな。ごめんな。辛い思いさせたよな


あたしよりもずっと前から
裏切られたって思って生きてたんやな


気づいてあげれへんかった


…よし


このままボーっと過ごすのは辞めよう。
あたしも動かないと。


そしてある物が置いてある場所を見る。


昨日サトルに渡されたUSBが机の上に乗っていたまま



この中になにが入ってるか、少し想像できてしまうわ。
どうせあたしが、精神的に苦しむようなことやろな


なんやろな

鈴の映像とか…写真とかかな


むかつくよな


ほんまにムカつく



「あたしをコントロールできると思うなよ」



あたしが弱ってると思ってるんやな。たしかにボロボロやったけど…
開き直ったあたしは強いんやから


USBのメモリーチップ取り出す
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