愛は惜しみなく与う⑥
中身なんて見てやらへんねん。
どーせ見てもええことないから。
「あんたの思い通りになんかならへん」
薄っぺらいメモリーチップを折り曲げた
よし。これで
見たくても見れへん
もうこのUSBの中身を知ることはない
こんなUSB、最初から無かったのと同じや
清々しくなってきたわ
なんであたしは抵抗せんかったんやろう。とりあえずこの監禁生活を終わらせな。
時間ないって言ってたくせに…
数日間無駄にしてしまったわ
部屋にある内線に手を伸ばす
この部屋から、母上の部屋に直通の電話がある。ちなみにあたしの部屋には無かったで?ここは鈴の部屋やからな
ガチャリ
『鈴ちゃんおはよう。どうしたの?朝ごはん嫌いな物でもあった?』
「いいえ、お母様。私もみんなの顔を見ながら食事がしたいです」
『…ダメよ。鈴ちゃんどこかへ行ってしまいそうだもの』
「私はどこにも行きませんよ。それともお母様は私が信用できませんか?」
『そんなことないけど…』
鈴が居なくなったあの日の夢を見るんやろうな。
どーせ見てもええことないから。
「あんたの思い通りになんかならへん」
薄っぺらいメモリーチップを折り曲げた
よし。これで
見たくても見れへん
もうこのUSBの中身を知ることはない
こんなUSB、最初から無かったのと同じや
清々しくなってきたわ
なんであたしは抵抗せんかったんやろう。とりあえずこの監禁生活を終わらせな。
時間ないって言ってたくせに…
数日間無駄にしてしまったわ
部屋にある内線に手を伸ばす
この部屋から、母上の部屋に直通の電話がある。ちなみにあたしの部屋には無かったで?ここは鈴の部屋やからな
ガチャリ
『鈴ちゃんおはよう。どうしたの?朝ごはん嫌いな物でもあった?』
「いいえ、お母様。私もみんなの顔を見ながら食事がしたいです」
『…ダメよ。鈴ちゃんどこかへ行ってしまいそうだもの』
「私はどこにも行きませんよ。それともお母様は私が信用できませんか?」
『そんなことないけど…』
鈴が居なくなったあの日の夢を見るんやろうな。