愛は惜しみなく与う⑥
息を切らしながら隊長はそう言うけど…


「応援呼びにいくなら、早よ行ったほうが良いんととちゃう?」


ゼェハァ言いながら立ち止まる隊長

いやいや、呼びに行ってあげて?立ち止まって休憩してるけど…

あたしが行ってもええけど…な?さすがに東堂組のみんなに会うのはちょっと…


「し、失礼しましたーー」


隊長はその場を走り去った。でもな?別にええんやけど…

ここであたしを1人にするのもどうかと思うで


山元組かー
関西でも少し大きい組で、東堂組の下に入ってる人達のはずやねんけど。

喧嘩でもしたんかな

気になるし、すぐそこで声も聞こえるから、少しチラ見しようかな


でも想像以上におおごとなのか、スーツを着た執事たちがソワソワと何かを見守っている。
なんやなんや?


「これどうしたの?」


1人に声をかけるとあたしの顔を見て、顔を真っ青にする。え、なによ


「ど、ど、どうして鈴様が!?」


その執事の声にみんな振り向きあたしは目立ってしまった。
ちょ、そんな大きな声出さんといてよ


そう思ったのも束の間
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