透明な世界で、ただひとつ。


ありがたいけど、あなたと関わると余計に面倒なことになるの。

でも断ることは出来なくて、私は授業の間、終始心の中で頭を抱えていた。



お昼になってようやくまとまった時間ができ、私は鞄を探しに行った。

いつものようにゴミ箱、体育館裏、旧焼却炉なんかを探してまわった。



それでも見つからず、一応屋上にも行っておこうと階段をのぼっていった。

ここに通ってかなりになるが、初めて屋上に入る。



そもそも屋上は解放されていないが、いつからか鍵を誰かが壊して入れるようになっているらしい。

階段の先にかけられているロープをくぐって屋上に入る。



そこには1年生の女子が5人ほどいた。

その中の真ん中には柚香がいて、目が合ったがすぐにそらされてしまった。

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