透明な世界で、ただひとつ。


表情は見えなくても、柚香が自分を責めているのが伝わってくる。



「ごめんね、柚香。

私もちゃんと向き合うべきだった。
てっきり、柚香は私のことが嫌いなのかと思ってた。」

「私が瑞希のことが本当に嫌いなわけないじゃん!

確かに口では嫌いって沢山言ったよ。

もう何年も前にあげたやっすいネックレスをずっとつけてるとことか、私が何言っても怒んないとことか、私とあの人のことも自分の目のせいにするとことか。

本当に嫌い、でも瑞希のことが嫌いなわけじゃない。
瑞希は私の大切な唯一の姉ちゃんだよ。」



柚香はまくしたてるような早口で私に言葉を伝えてくれる。



「そっか、私のこと嫌いじゃないんだね?」

「当たり前でしょ、だからごめんね。」



私は柚香の体をきつく、きつく抱きしめた。

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