大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
「本当に瑞樹が本気で、もし付き合ったとしたら、親友のためだと思って無理してでも笑顔で祝ってあげるけど」
「ふふ。友達思いだなぁ。そういうとこ大好き」
膨れながらそう言うわたしを、瑞樹は抱き締めてくるけど、これくらい当たり前だと思う。
わたしと瑞樹は高校からの付き合いだけど、こんなに気の合う人は今まで生きてきた中で初めて。
雑誌で見るかっこいい人の好みは同じだし、服の好みも似ている。
なにより根本的な考え方が同じだから、一緒にいて相手のことが理解できなくて嫌な気持ち……なんてことにはならない。
零のことただ一点を除いては。
まぁそういうことだけれど、こんな気の合う親友の幸せを祝福しない人がどこにいるのだろう。