大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
そう思うと、すぐに後ろを振り向いた奏多くんは一瞬でボールを奪い、そのボールは綺麗な放物線を描いて、スリーポイントシュートを入れた。
「キャーー」
また、女の子たちの歓声。
「やっぱり奏多くん、すごいね」
瑞樹も真剣に見ていたのか「ふぅ」とため息を吐きながら、壁によしかかる。
私は……アイツがすごいと思った。
だって、あの奏多くんだよ?
一瞬でも抜けるってすごくない?
試合終了のホイッスルが鳴り、女の子が続々と集まってくる奏多くん。
そして、汗を拭いている零の所に、先生が向かうのが見えた。