大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
「あの。こんにちは」
「あ、こんにちは。ごめんな。邪魔して。大人しく自分の部屋戻ってレポートするわ。お前らもテスト勉強頑張れ!」
いつの間にか壱兄ちゃんの後ろにいた瑞樹が声をかけると、壱兄ちゃんはそう言って部屋に戻っていった。
「すごいね零くんのお兄さん。元気」
「あーまぁ、ほんとに同じ親から生まれたのか?って思うよな」
一通り雑談を終えると、私たちは各々で勉強に手をつけ始める。
途中からは奏多くんが来て、いつも通りアイツと瑞樹、私と奏多くんのペアになった。
勉強に集中したいけれど、やっぱり壱兄ちゃんのことが離れなくて。
考えてしまって。