大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
「壱兄ちゃんは?」
「え?俺?俺かぁ…」
壱兄ちゃんは少しだけ気まずそうな顔をした後、口を開いた。
「最近彼女と別れたよ」
「そうなの…?」
「俺にも非はあったのかもしれないけどさ、別れた原因は彼女の浮気。まぁ元からそういうやつだったんだけど。前の彼氏ともそれでダメになったみたいだし」
私は何も言えなくなって、ただ頷くしかできない。
「でもさ、それが俺の仲良い友達だったから、まぁまぁ精神的にきて。そいつとは疎遠になるし、しばらくなーんもやる気出なかったんだけど。こっちに帰省して、地元の友達とか、清華や零に会って、ちょっと元気出た」
「ほんと…?」
「ほんと!実家とか地元の友達ってすごいなぁって思った。もちろん清華も!」