大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
「私は大丈夫になったから。まだあれから、恋愛も彼氏もできてないけど、私は壱兄ちゃんがいて、これがあったから、立ち直れた」
「俺のおかげじゃないよ。清華が頑張っただけ。っていうか清華は俺のこと何だと思ってるんだー?」
「救世主」
「ぶはっ。何だそれ。俺はそんなんじゃないよ。今もこんな様だしな」
壱兄ちゃんは吹き出すけど、本当にあの時は救世主だと思ったんだから。
私を絶望から救ってくれて。光みたいに。キラキラした。
「まぁでも、これは清華にあげたものだから、持っといて」
壱兄ちゃんは私の手にそっとキーホルダーを戻して、ギュッと握らせた。
「うん…分かった」
「ダメだなぁ、俺。清華にも気を遣わせて…。清華、強くなったな」