大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
「まぁ仕方ないけどな。アイツもアイツで悪いところあるし。でも見守ってやってくれ」
「……うん」
壱兄ちゃんにそう言われると、そうするしかないじゃん。
目の前を見ると、もうすぐ夕陽が沈みそうで、空は優しいオレンジ色をしていた。
「さっ、そろそろ帰るか」
「沢山話せて嬉しかった」
「俺もだよ。そういえばテストは大丈夫なのか?」
「あーそれ言わないでー」
私がわざとらしく耳を塞ぐと、壱兄ちゃんは優しく笑って。
やっぱり夕暮れに壱兄ちゃんはよく似合うと思った。