大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
それに、最初は俺のことを好きなのかと疑っていたが、最近は多分俺のこと好きでいてくれてるんだろうなと、感じることが多い。
俺に対する反応とか。柔らかい表情とか。
そんな瑞樹に何か返したいとも、思っている。
「瑞樹!いいところに…ちょっといい?」
「うん!ごめん、委員長に呼ばれたから行ってくる」
少し髪が内巻きに巻いてあるボブの、いかにも活発そうな女子に呼ばれると、瑞樹は教室から出ていく。
ふと清華の方を見ると、今度は黒板を消していて、教壇の上で高い場所に書かれたチョークの字を必死にジャンプして消していた。
けれど、黒板に書かれた文字はカーブを描いていて、中々消えていない。
「消そうか?」
「いい!」
俺がそう言うと、清華は少し恥ずかしそうに即答をして、さっきより小刻みに跳び始める。