クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 や、やめろ! やめるんだっ! このままでは、やっとこさくっ付いている紳士の仮面が……っ!
「ふふふっ。おかしなライアン」
 マリアがクスクスと可愛らしい笑みをこぼし、俺の胸にスリッと頬をすり寄せた。
 ……ぁ、あ、ぁあああぁぁああ――!
 この瞬間、紳士の仮面はペロッと剥がれ、俺はもんもんもやもやの権化となった。
「マリア聞いてくれ」
 今日こそ、俺は告げる! そうして、ずっと正座待機させていた股間の紳士に、ついに日の目を見せてやるのだ――!
 決意と共に、マリアの両肩を掴み、その瞳を見つめて口を開く。
「君を我が家に迎えて今日で六日目。もう、限界だ……。俺は君と本当の意味で夫婦になりたい」
「え? 私とライアンはもう夫婦でしょう?」
 キョトンと俺を見上げるマリアの腰を片腕で抱き寄せて、反対の手でネグリジェの胸元のリボンを摘まむ。
 驚いたように目を瞠る彼女に、決意を込めて口を開く。同時にシュルリとリボンを引く。
「いいや、君は本当の夫婦を知らない。本当の夫婦はこうして――」
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