【完】じれったい恋愛~激甘同級生は私の旦那さま!
仕事を終えて、帰り支度をして職場を出る。
今日みたいな時には、いつも待ち合わせる駅前のベンチ。
中島君はそのベンチに座っていた。
その様子はいつもとどこか違って、寂しそうな、でも、何だか怒ってるような感じがする。
『けんちゃん!』
私はいつものように明るく彼に声をかける。
彼は、いつもとは違って、笑顔もなく私を見て言った。
『お疲れさま』
???
やっぱり、何だか機嫌が悪い?
『けんちゃん、どうしたの?』
『なにが?』
『なんか、ちょっと機嫌、悪いみたい。
怒ってる?何かあった?』
『いや、別に?怒ってないよ…』
『……。何かあるなら、ちゃんと私に話してほしい。
けんちゃんが元気なかったら私、辛い…』
私は何だかとっても悲しくて、寂しくて、小さな声でそう、呟いた。
『……。いや、何でもない…』
『本当に?本当に何もない?』
『……うん』
また、ちょっと怒ってるみたい。