きみがため
冬凪
私の心は、ボロボロだ。

恋なんてしなければよかったと、何度も思った。

恋は、魂を吸い取ったみたいに、人をダメにしてしまう。

桜人に避けられる日々は空虚だ。

一日中泣いて、泣いて、消えてしまいたい。

浦部さんと話している桜人を見ると、息が詰まりそうになる。

嫉妬心で、心が汚れていく。

そして、自分のことをますます嫌いになる。

そんなとき、私のすさんだ心に変化をもたらしてくれたのは、桜人の詩だった。
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