きみがため
その日の夜、僕はなかなか興奮が収まらないでいた。

心に、とてつもなくあたたかいものが芽吹いていて、それをどうしたらいいか分からなかった。

だから、何度もナースコールを押して、興奮を掻き消すように、夜勤の看護師さんにどうでもいい話をした。

看護師さんは困り顔を見せながらも、哀れな僕のわがままに付き合ってくれた。


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