きみがため
全部知ってるよ、と言葉を繋いだ。
「桜人が、ずっと苦しんできたことも。私のために、あふれるほどの言葉を書いてくれたことも。そんな桜人のすべてが、私は好き」
桜人は驚いた顔をしたあと、困惑したように眉を寄せて、その目にまた哀しげな色を浮かべた。
「でも俺は、絶対に許されないことをしたから――」
「許すとか、そんなんじゃないよ。桜人じゃなきゃだめなの」
そう答えると、ようやく桜人の目に、微かに希望の色が浮かんだ。
震える息が、耳元で「……本当に、いいのか?」と懇願するように囁いてくる。
深く頷けば、桜人の腕が背中に伸びてきて、そっと抱き返された。
「ありがとう……」
まるで壊れ物を扱うように私を抱きしめながら、桜人はその後も泣き続けた。
そんな彼の温もりを肌に感じながら、私は今までにないほど、満ち足りた気持ちになっていた。
もう泣かないで大丈夫だよ、桜人。
今度は私が、君のための、光となり陰となるから。
「桜人が、ずっと苦しんできたことも。私のために、あふれるほどの言葉を書いてくれたことも。そんな桜人のすべてが、私は好き」
桜人は驚いた顔をしたあと、困惑したように眉を寄せて、その目にまた哀しげな色を浮かべた。
「でも俺は、絶対に許されないことをしたから――」
「許すとか、そんなんじゃないよ。桜人じゃなきゃだめなの」
そう答えると、ようやく桜人の目に、微かに希望の色が浮かんだ。
震える息が、耳元で「……本当に、いいのか?」と懇願するように囁いてくる。
深く頷けば、桜人の腕が背中に伸びてきて、そっと抱き返された。
「ありがとう……」
まるで壊れ物を扱うように私を抱きしめながら、桜人はその後も泣き続けた。
そんな彼の温もりを肌に感じながら、私は今までにないほど、満ち足りた気持ちになっていた。
もう泣かないで大丈夫だよ、桜人。
今度は私が、君のための、光となり陰となるから。