きみがため
後ろの方のページで、昨年二年だった、川島部長の名前を見つける。

難しそうなミステリーの短編が、他の部員たちの倍はあるのではないかという文字数で、ぎっしり書き連ねられていた。

今日会ったばかりで、先輩のことはまだよく知らないけど、我が道を貫くかんじが彼女らしいなと感じた。

最後は、詩だった。

他の作品とは違い、その詩だけタイトルも名前もないのを、不思議に思う。

川島部長が幅を占めすぎたせいか、その部員の枠だけすごく狭い。

だけど、詩独特の空白のせいか、それは驚くほど自然と私の目に入ってきた。

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