きみがため
夏ぐれ
六月の中頃、光がまた入院になった。
学校に復帰して、それほど間もないうちの、再入院だった。
光は、よほどショックだったのだろう。
再入院してから、以前にも増して、口をきいてくれなくなった。
放課後、K大付属病院前でバスを降りる。
バスを乗る前までは、ぎりぎり曇りだったのに、その頃にはザーザーと滝のような雨が降っていた。
傘を差し、病院のエントランスに向かって歩く私の足取りは重い。
心を閉ざしている光を見るのはつらかった。
だけど私は、こうやって、定期的にお見舞いに行くことしかしてあげられない。
お母さんは相変わらず忙しくて、ろくにお見舞いにもいけない様子だから、光はまた私に八つ当たりしてくるだろう。
それを考えると、どうしても気が重くなる。
小児病棟の二階、今回の光の部屋は、前回のふたつ隣だった。
学校に復帰して、それほど間もないうちの、再入院だった。
光は、よほどショックだったのだろう。
再入院してから、以前にも増して、口をきいてくれなくなった。
放課後、K大付属病院前でバスを降りる。
バスを乗る前までは、ぎりぎり曇りだったのに、その頃にはザーザーと滝のような雨が降っていた。
傘を差し、病院のエントランスに向かって歩く私の足取りは重い。
心を閉ざしている光を見るのはつらかった。
だけど私は、こうやって、定期的にお見舞いに行くことしかしてあげられない。
お母さんは相変わらず忙しくて、ろくにお見舞いにもいけない様子だから、光はまた私に八つ当たりしてくるだろう。
それを考えると、どうしても気が重くなる。
小児病棟の二階、今回の光の部屋は、前回のふたつ隣だった。