一生ものの恋をあなたと
「へぇー、斎の秘書だったんだ。
こいつ、アグレッシブなヤツだから、ついて行くの大変だろ?」

「アグレッシブ、いいじゃないか。
新しいことにはどんどんチャレンジしないとな。」

「はい。いい勉強させてもらっています。」

「随分、真面目な秘書くんだな。
いくつなの?」

「25です。」

「美央と同じ学年だよ。」

「68期か。じゃあ、愛ちゃんとも同じだな。」

「蓮は高校組。」

「そっか。じゃあ面識ないかな。
社会人…3年目かな?
俺も、その頃は会社勤めだったんだ。
一念発起して2年前にここをオープンしたんだ。」

この人も先輩なのか。
…愛も来てるんだ…。

「俺、ギネスね。
蓮は…今日は俺だけだし、少しくらい呑むか?
帰りのタクシー、マンションの下まで乗せていってやるよ。
どうせ通り道だし。」

「いや、俺は…」

「あれ?蓮くん呑めないの?」

「はぁ…。
眠くなるんです。」

「じゃあ、度数のかなり低いカクテル作ってやるよ。」

「…すみません。
ではお任せします。」

出されたカクテルは、一見コーラにしか見えない。

「マリブコーラだ。
ほんの少し、ココナツリキュールが入ってる。」

「いただきます。」

初めて呑んだそれは、ココナツの香りが夏らしく、飲みやすいカクテルだった。

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