一生ものの恋をあなたと
1時間後



「蓮くん、可愛いなぁ。
本当にほろ酔いだとよく喋るんだ。
まだ1時間で半分も呑んでないけど。」

「新しい蓮発見だわー。」

「でも…これじゃ、お持ち帰りされそうだね。
怖いオネエさんに。」

「え!お持ち帰りですか?
テイクアウトですね!
この時間だったら〜コンビニくらいかなぁ。
一走り行ってきますよ!
あ!ピザだ!
ピザ買ってきます!
テイクアウトだと半額なんですよ〜!」

「…いや、そのお持ち帰りじゃなくて。」

「蓮…天然なの?」

「蓮くん、お腹空いてたら、ピザは俺が作ってあげるよ。」

「ええ!いいんですかー?
ペパロニがいいです!」

「……なるほど、なるほど。」

「櫂人、氷足して。」

「はいよー。」


思い出せば恥ずかしい限りのこのやり取り。
恐ろしいことに、記憶は確かで。
いつも寝てしまうまでの俺の記憶は、残念なことに、次の日も残っているみたいなんだ…。


櫂人さんのピザは、デリバリーのピザとは違い、生地も手作りの、最高に美味いピザだった。





< 107 / 207 >

この作品をシェア

pagetop