一生ものの恋をあなたと
「そっか。
『浮いた話一つない、天使の声の持ち主』
俺も斎も、愛しか浮かばなかったよ。」

…‼︎ ちょっと待って…
気付かれてたの⁉︎

「斎がさ、落ち込んでてね。
愛の1番近くにいて、何にも気づかなかったって。
自分達のことしか考えてなかったってね。
それはそれは反省してたよ。」

斎くん!
違うのに…
タイミングを逃しただけなのに。

「ごめんね、俺もあれから気になって。
少しだけ話は聞いた。
2人の間に行き違いがあったって。
…酔い覚ましに、よかったら聞かせてくれる?
何があったのか。」

朝倉のお兄さんも言ってた…
行き違い?

「…わかんないんですよ。
正直なとこ。
あの日、俺が寝てる間に何があったのか。
兄貴が憶測で、きっとこうだろう、って言ったのが、多分その通りなんだろうと思うだけで。」

「仁さんが気づいたの?」

「あ、はい。
えーと…
成田へ行く前に、愛の声が聴きたくなって、
電話したんです。
そしたら繋がらなくて。
何度かけても繋がらない。
見送りに来た、両親に兄貴も心配しだして。
それで、兄貴が気づいたんです。」

「…何に?」

「俺は、事故か何か、愛が大変な状況になってるんじゃないかって、心配したのに。
兄貴はブロックされてると思ったみたいで。」

…ブロックしてたよ。

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