一生ものの恋をあなたと
「そっか。指定校推薦か〜。
クラスの男子も何人か取ってたけど。
あ、私はこのまま系列大学に上がるの。
だから、まあ、同じようなものね。」

そう。私はこのまま系列の女子大へ進むことが決まっている。
とは言え、おそらく、F組の指定校推薦なら全くレベルが違うだろう。

「どこに行くの?大学。」

「……東京のW大。」

「え!すごい!
1番上じゃない。F組の中でも成績が上なんだね!」

「そんな事ない。
本気で勉強してる奴らは、これから国公立受けるんだから、そいつらの方が上だ。」

うわ。
これ本気で言ってる。
謙遜って感じじゃないな。
…やっぱりめちゃくちゃ真面目だ。

「…フフフ。あなた、いい人ね。」

「……そんなんじゃない。」

あ、少し赤くなってる?
照れ屋なんだ。

なんか、すごく親近感が湧くなぁ…。
あ、そうか。
長兄に似てるんだ。
私には兄が2人いる。
12歳離れた長兄の聖と、8歳離れた次兄の誠(まこと)だ。
長兄の聖はこの学園の小学部の教諭だ。
次兄の誠は、製薬会社の研究所に勤務している。

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