一生ものの恋をあなたと
「じゃあ、斎くんと美央の結婚式で会うことは、お兄ちゃんも知ってたの?」

「…あ、あぁ、まぁ…知ってたかな…。

いや!
何か企んだり、意味があって黙ってたわけじゃないんだ。
俺達…俺と仁も、本当のところ、何があったか定かではなかったから、変に介入することも出来なくて…。
…だから、自然に任せようと思った。
きっとね、本当に想いあってたら、何も心配することないだろうって思ったんだよ。

…でも、その通りになっただろ?」

「…うん。
私、結婚するよ。」

「良かったな。
おめでとう!
…若干一名、悲しむ奴がいるけどな…」

「え?  なに??」

「いや、こっちのこと。
誠も父親になる事だし、めでたい事尽くめだな。

「うん!  まこちゃん、嬉しそうだったよ〜。
紫ちゃん、やっとゲット出来たんだもんねぇ。
でも、本当に付き合ってだんだね。
今更だけど。
なんか都市伝説みたいに思ってたよ。」

「都市伝説って…。
離れていてもちゃんと想い合ってたのは確かだよ。
誠、今年のゴールデンウィーク、オタク仲間とヨーロッパ周遊って言ってただろ?
あれ、紫ちゃんの演奏旅行に付いて周ってたんだよ。」

「!」

< 172 / 207 >

この作品をシェア

pagetop