一生ものの恋をあなたと
「片平さん、こちらに。」

チーフマネージャーの高柳さんが、蓮と変わらない年頃の男性社員を呼んだ。

「朝倉様のお手伝いをして差し上げて。」

「かしこまりました!」

「奥様はこちらへ。
マリッジリングも取り揃えてございます。
お待ちの間、候補を選ばれてはいかがでしょうか?」

結婚指輪か…
なんか、どんどん進んでいくなぁ…

高柳さんが少し身を屈めて耳元でこう言った。

「マリッジリングの方がお求め易い価格ですので、選び易いんですよ。」

なるほど…
さっきから私が、高額なものに対して気が引けているのを気にしてくれるているんだな。
さすがチーフマネージャー。

美央のお伴で何度かここにも来たことはあるけど、この部屋は入ったことないし、自分のこととなると話は別。
緊張しちゃうよ!

あ! これ美央と斎くんが選んでた指輪だ。
でも、私にはちょっと派手だなぁ。

職業柄、子供に当たってもし怪我でもさせるようなことがあったら大変だし…。
なるべくシンプルな方がいい。

あ! これなら可愛くて、他じゃ見られないデザインだし…

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