一生ものの恋をあなたと

「は、はじめまして！
坂上愛と申します。
本日はお招きいただきありがとうございます。」

「おー！
愛ちゃん、座って座って！
待ってたんだよ〜。」

開口一番、お兄さんが明るい声でもてなしてくれた。

「突然でごめんなさいね。
仁もこの人も言い出したら聞かない人だから…。」

「お前だって会いたがってたじゃないか。
やっとだぞ？会えるまで6年もかかったんだ。
さ、愛ちゃん、ここに座って！」

仁のご両親は明るくわたしを引き入れてくれた。

それにしても…6年…。
ひょっとして、もう全部知ってる？

「愛ちゃん、私が蓮の父親の朝倉善です。
こっちが母親の佳奈子。」

「愛ちゃん、よろしくね。」

「そして、長男の仁とお嫁さんの葉子ちゃん。
1歳になったばかりの花ちゃんだ。」

花ちゃんを抱っこしていた葉子さんがにっこり微笑んでくれた。

「愛ちゃん、葉子です。
よろしくね。」

穏やかで優しそうな方。

御座敷の個室を選んだのは、動き回る花ちゃんのためだろう。

とっても可愛い女の子だ。

「愛です。
よろしくお願いします。」