一生ものの恋をあなたと
あれ?
そう言えば、蓮も鞄を持ってない。
え、じゃああれからずっと待っててくれたの⁉︎

「え! ごめんなさい!
一度も戻らずに待っててくれたのね。
かなり長い時間だったのに…」

小一時間は経ってるはずだ。

「行き違う可能性があったから…」

「じゃあ、一緒に戻りましょう!」

「……あ、あぁ…」

私達は並んで校舎に歩いて行った。
やっぱり、背が高い。
私も女子にしては高く、165センチあるんだけど、見上げる感じだな。
長兄より高いかも。

「身長、高いのね。
何センチあるの?」

「182」

「高いね!
私も女子では高い方なんだけど、
見上げちゃうわ〜。」

ほとんど私がお喋りして、ボソッと蓮が答えるだけだったけど、不思議と会話は続いて、気づけば階段の踊場。
私は三階の高3Aで、蓮は二階の高3Fだ。
なんとなく、離れ難い。

「…あ、じゃあ、ここで…」

「…あ、あぁ……」

階段を上がろうとしたその時、蓮が私の腕を掴んだ。

「え⁉︎」

突然の接触に、驚きを隠せない。

「あ、ご、ごめん…
そ、その………駅まで……」

『一緒に帰らないか?』

続きはそう言いたかったのだろう。

「…鞄取って、ここで待っててくれる?
私もすぐに鞄取ってくるから。」

「…‼︎
あ、あぁ。待ってる。」

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