一生ものの恋をあなたと
「…着けて。」

「え?
……あ、うん!」

着けてくれるんだ!

蓮が屈んでくれたので、急いで着けようと思ったけど、寒さで手が悴んでなかなか上手くいかない。

「…出来た!」

「……どう?」

「うん! 真面目な蓮から、お洒落な感じの蓮になったよ。
フフフ…、プレゼントなんて、お兄ちゃん達にしかした事ないから、緊張しちゃった!」

「………これ、クロス…。
愛がずっと一緒にいるみたいだ。」

「な! な、何言ってるの⁉︎」

恥ずかしいっ!
そんなつもりでクロスを選んだわけじゃなかったんだけど…。

ふと気付くと、顔の前に影が出来ていて…
見上げた私の顔に、屈んだ蓮の顔が重なった。いや、重なっているのはお互いの唇だ。

「…蓮⁉︎ 」

「………愛が好きだ。」

「……‼︎ 」

まさか、こんなにハッキリ言ってくれるなんて思わなかった…。

「蓮……。
わ、私も。……好き。」

どちらからともなく、再び重なった唇。
私にとっては初めてのことで、心臓がドキドキしすぎておかしくなりそう。

「……蓮、私…初めてなの。
キスするの…。」

「ん…俺も…。」

「え?本当に⁇ 」

「…引くか?
俺、口下手で、今まで女とは喋れなかった…。」

「ううん。引かない!
私だって初めてだもん。」

蓮がぎゅっと抱きしめてくれたから、
私達はお互いの温もりを分けあって、粉雪が舞う中ずっと抱き合った。



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