一生ものの恋をあなたと
小一時間程して、彼女が出てきた。
おそらく、一番最後だ。
それも予想通りだった。

勇気を振り絞って、声を掛けた。
気づいてくれた彼女にまず詫びを入れる。
彼女はキョトンとしていたが、笑って受け入れてくれた。

俺の名前から、誕生日まで当てる。
俺の両親は別に熱心な仏教徒ってわけじゃない。
本当にたまたま、花まつりの日に生まれたのと、兄が“仁(じん)”と一文字だったので、俺も一文字の名前になるように、蓮と付けただけだ。

でも、なるほど。
お互いの文化を分かり合えば、気分の良いものなんだな。
そう、教えられた気がした。

さっきの雷は明らかに一目惚れの雷だった。
1度目も、2度目も。
でも、ちゃんと話すと、中身まで好ましくて、大聖堂から歩き出したときには、俺は愛から離れられない状況に陥っていた。

…つまり、どっぷり恋に落ちていたんだ。


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