一生ものの恋をあなたと
兄貴に言われたんだ。

「お、それ…彼女からか?
……へぇ〜、センスあるじゃん。
お前、カタブツがそれのおかげで垢抜けて見えるぞ。」

「…うるさい。」

「それ、シルバーだろ?
シルバーはな、変色するんだ。
温泉とかはちゃんと外せよ。
……でも、いいこと教えてやろうか?」

「……なに。」

「シルバーを黒ずませない方法。」

そんなのあるのか?
磨くとか?
いや、是非教えてくれ!

「シルバーはな、ずっと身につけておくんだ。
人肌に温まってると、そのままの色を保てる。
まあ、それでも、たまにシルバー磨きの液に浸けたほうが良いけどな。
本当の手入れ法はググってみろ。
多少黒ずんでも、そのデザインなら逆にいい味出るかもな。
ま、とにかく、身につけておくんだ。
構ってやらないといけない女と同じだ。
手がかかる。
…でも可愛いだろ?
それを覚えておけ。」

それから、兄貴の言葉通り、ずっと身につけている。たまに手入れのために外すことはあるけど、
もう、俺の身体の一部になってる。
少し長さがあるから、ワイシャツの下でもきっちりネクタイを締めたら見えないし。


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