一生ものの恋をあなたと
『あ、蓮にはわからなかったわね。
申周明は会ったことある?』

『あ、はい。
同行してますから。』

『言っちゃっていいわよね、斎?
コスプレよ。
日本の大人気アニメなの。
結構、昔のものだけど、今でも根強い人気があって。
その中のキャラクターに、私が似ているそうなの。
それで、いつもそのコスプレをしてくれって言ってくる友人だったの。
申周明は。』

あ、あの王子様みたいなイケメンが⁉︎
申周明と斎さんが並ぶと、隣国の王子同士の話し合いみたいなんだ。
キラキラしすぎて眩しいくらいに…。

いや、それより…

『…じゃあ、同じ趣味という事は…』

『遂にカミングアウトの時が来たか…。
そう。俺も昔から好きでね。
灯里が引退した時は、ショックだったよ…。
お里ちゃんロス。』

『ちょっと!斎⁉︎ 』

お里ちゃんロス⁇

『いいじゃん。
蓮、灯里はくノ一だったんだ。』

『くノ一⁉︎』

『もう〜。…まあ、そうなの。
雅さんには言わないでね?
くノ一カフェでアルバイトしてた時期があるの。源氏名が“お里”。
斎はお客様で、卒業パーティーにもうちの主人と一緒に来てくれたのよ。』

『…なんか、壮大な話に聞こえてきました…。
いや、あの旦那さんがよく許してくれましたね。』

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