一生ものの恋をあなたと
「…あ、うん…。
じゃ、じゃあ、行ってきます。」

段取り重視の雅ちゃんのおかげで、取り乱さずにすんだけど…。

蓮が視線を送ってきた。


………………まずい。逃げたい。


正直、もう一生会うこともないと思っていた。
こんなところで、しかも斎くんの秘書なんて……気まずさしかないのに…。





その後、受付での対応をもう1人の同級生とこなしたものの、内心は上の空だった。

蓮……

浮いた話ひとつない私にとって、蓮だけは特別だった。
誰にも言ってない。
親友の美央にさえ言えなかった。
私の初恋。
私の初めての相手。



……一生ものの恋のはずだった……








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