一生ものの恋をあなたと
「え!お兄ちゃん…あ、いえ、兄とよく話されるんですか?」

「あぁ。俺はね、思ったことをズバズバと口に出すタイプで。
いつも聖には説教されてる。
『慎め!』って。」

「あー!それ、兄の口癖です。
うちの兄、昔から説教くさくて…。
すみません。」

「いや、あのカタブツぶりが気に入ってる。
仲良くしてもらってるんだ。」

そう言って目尻にシワを寄せて笑った顔は、蓮にそっくりだった。
いや、こっちの方が渋みがあっていいかも…。
…ハッ、何考えてるの、私。
とことんブラコンな私は、この世代に弱い。

「愛ちゃん?
顔が赤いけど…暑かったからね、大丈夫?
何か冷たい物を飲んだ方がいいんじゃないか?」

「いえ!大丈夫です!」

「ならいいけど…。
………………愛ちゃん。」

「はい?」

「俺はね、2人のことを知ってる。
でも、ここで、口を出すつもりはない。
さっきも、蓮に言われた。
『余計な口出しはするな』ってね。
ただ…君たちが行き違いをした原因の根本は俺の責任でもあるんだ。」

行き違い?
お兄さんの責任⁇

「だからね、これは俺からのお願い。
今日、愛ちゃんには迷惑かもしれないけど、
蓮の話を聞いてやって欲しい。

…頼む!」

そう言って、勢いよく、頭を下げられた。

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