【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
そんな彼も、最近可愛い彼女ができたらしく、トレードマークである八重歯をニカッと覗かせながら見せる笑顔が、今日も眩しいくらいに輝いて見える。
今日はこれからデートなのか、「じゃぁ」と言って爽やかに走り去っていく木村君の背中を見送った私は、ひとり寂しく家路へと足を進めた。
そんな私の心の中を見透かしたように、さっきまで穏やかだった春風が急に正面から強く吹き付けてきて、まるで、私の行く手を阻んでいるようだった。