【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
そんな訳で、僕は秘書室の社員になんてなんら興味もなかったし、関わるような機会も特になかった。
そんな僕が、彼女を見かけたのは、たまたまの偶然、重役に個々に与えられた執務室のあるフロアですれ違っただけのことだった。
さすがは、秘書に選ばれるだけのことはあり、容姿端麗は勿論のこと、立ち居振る舞いもどこか気品があって、背筋をピシッと伸ばして颯爽と歩く姿は凛としてて、思わず見惚れてしまったほどだった。
といっても、それは別に一目惚れとかそういった類のものではなく、女性ながらに、意志の強そうなキリッとした強い眼差しと、たまたま耳にした秘書室随一の気の強さだという噂に、少々興味が湧いただけのことだ。
別に自惚れているわけではないが、幸運なことに、容姿にも恵まれていたため、社員に手を出すほど女性に不自由することもなかったし。
なにより社員に手を出して煩わしいことになるのを避けたかった僕は、それ以上の感情なんて抱くことはなかった。