【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
彼女と思いがけない再会を果たしてから今日までのことをあれこれ思い返しながら……
侑磨さんの思いがけないお膳立てにより、酔い潰れてしまった彼女のことを連れ帰り、寝室のベッドに寝かせてはみたものの。
僕と彼女は、表面上は『恋人同士』にはなっているが、実際には恋人でも何でもない。
ただの『雇用主』と『従業員』だ。
そんな僕が、このまま酔い潰れた彼女のことをどうこうしてしまえば、きっと彼女は僕のことを軽蔑するだろう。
いや、もう、借金を立て替えて『雇用契約』を結ばせてる時点で、彼女にとったら、金にものを言わせて弱者を意のままにする最低な男でしかない僕は、充分、軽蔑にあたいする人物なんだろう。
なら、彼女に、十五年前のことを全て話して、その時の『恩返しだから気にしなくていい』なんて、言ったところで。
その時のことを微塵も覚えていない彼女が、はいそうですか、なんて納得するとも、到底思えない。
それどころか、侑磨さんが言ってたように、きっと彼女のことだから、突っ返してくるに違いない。
そんなことになったら、彼女も侑磨さんも、あの料亭も共倒れだ。
なにより、彼女があんな柄の悪い輩のいいようにされるなんて、考えただけでもゾッとする。
――さて、どうしたものか……。