【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

　これまで、自慢じゃないが、僕の見かけや立場にすり寄ってくる女性は数多《あまた》いて、女性に不自由したことなんてなかった。

　最近は、女性関係のことで兄さんに釘を刺されていたため、そういうことを控えてはいたが、それにしたって、ちょっとはだけた胸を見たくらいじゃ、こんな風に反応なんてしなかった筈なのに……。

　それらはきっと、彼女の手の甲に初めて口づけた時に感じた、なんとも言えない心地良さに、身体の相性の良さを確信してしまった所為だろう。

　こんな有り様だったものだから、僕は、ちょっと彼女に、ほんの悪戯心のつもりで色々仕掛けてたつもりが。

　寝室のベッドに組み敷いた高梨侑李の予想を遥かに上回っていた、女性らしくなんとも艶めかしいあられもない姿を前に。

　僕は、今まで感じたこともないくらい興奮してしまっている自分自身に対して驚きを隠せずにいた。

　……こんなことになってしまったのも、彼女が意外にも、僕の好みとする"素質"を持ち合わせていた所為と、身体の相性も相まって、呆気なく理性を手放してしまうことになってしまったんだろうと思う。

　でも、一番の要因は、彼女が不感症であると思い込むあまり、自分のことを『欠陥品』なんて口にしたものだから。

　僕もこういう少々他人に理解され難い性癖の所為で、長年自分のことを『欠陥品』だと思っていた、そんな自分の想いとが重なってしまったんだ。