【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
これは業務命令ではありません!?
なんだろう? この、なにかあたたかなものに優しく包み込んでもらっているような、安心感と、このなんともいえない心地良い感触は。
閉ざしたまんまの瞼の向う側。まるで、柔らかな陽だまりでも広がっているかのような、優しい灯りがほわりと浮かび上がって。
もう、朝なんだ。そう思うのに……。
瞼は重くて上がってもくれないし。身体もなにやら異様に気怠くって、起き上がろうにも起き上がれそうにない。
というより、ここから一歩も動きたくない。ずっとずーっとこのままで微睡んでいたい、なんてことを思ってしまっている。
それにしたって、うちのベッドって、こんなに寝心地良かったっけ? それに、長年使っている年季物の布団(一応羽毛布団だけど)って、こんなに肌触り良かったっけ?
寝惚けつつも、手でベッドと布団の感触を確かめながら、いくら休みの日だからって、いつまでもこのまま眠っても居られないし。そろそろ起きなきゃなぁ。でも、まだまだ起きたくないなぁ。
てな具合で、しばらくの葛藤の末、スマートフォンの定位置である枕元へと右手を彷徨わせていた時だった。
自分一人しか居ないと思っていたのに、後ろから突如、寝起きで掠れた、やけに色っぽい鬼畜の声が聞こえてきたのは。
「もう起きるんですか? まだ六時過ぎなんですから、もう少しこのままで居ませんか? 昨日は、ずいぶんと無理をさせてしまいましたし。ねぇ?」