【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
きっと陰では言いたい放題なのだろうけれど、秘書室でのデスクの配置も蔵本の隣になって、その向かいには夏目さんが位置するため、気分を害するような雑音を耳にすることもなかった。
……ただ問題なのは、この一か月間で諸々を解決させるまでの間に、自分のことをもっともっと好きにさせて、自分から離れられなくさせようとするかのように、鬼畜が隙さえあらばあれこれちょっかいを出してくるようになったお陰で、ほとほと困らされている。
週末である金曜日の昼下がりの午後。
蔵本の指示を受けて、給湯室で副社長である鬼畜に持っていくためのコーヒーの準備をしていた私が、これからまた鬼畜のところにいかなきゃならないのかと憂いて、人知れず溜息を零していた時のことだった。
突然背後から、
「高梨が溜息なんて珍しいな」
という声が聞こえてきて、驚いて肩をビクッとさせつつ後ろに振り返ってみると。
そこには、トレードマークである銀縁メガネ越しに私のことを見下ろしている夏目さんの姿が待ち構えていた。