【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
「涼、お前が言うと、いかがわしいことのように聞こえるからやめてくれないか? 折角の侑李さんとの食事が台無しになる」
「よく言うよ? 先週はいかがわしいこと散々やってたクセに。それにしても、侑磨さんのお膳立てには驚かされたよなぁ。お陰でふたりが進展できたんだし、感謝しないとな。まぁ、あの時はまだ高梨の気持ちは隼には向いてはいなかったようだけど」
「今も向いてませんッ!」
「侑李さん、僕は分かってますから安心してください」
「もう、だから違うって言ってるじゃないですかッ!」
「ハハッ……まぁ、まだ諸々も解決してないし、そういうことにしといてやるよ」
先週初めて目にしてしまった鬼畜の逞しい体躯を思い出してしまったことは、幸いバレずに済んだものの。
結局は、上機嫌な鬼畜と、話してみると意外にも気さくな蔵本によって、からかわれてしまうという情けない有り様になってしまった。
いつもは不愛想で無口な筈の蔵本が、素では少し口が悪くて意地も悪いということ。有名な老舗呉服屋の三男坊であることにも驚かされたのだけれど。
なにより、幼馴染だという蔵本と話している所為か、いつもは敬語口調の鬼畜が時折砕けた口調になって、ちらちらと覗かせる素の部分がなんだか新鮮で、そういう鬼畜の素の部分をもっと知りたい、そう思ってしまった自分自身に対しても驚きを隠せなかった。
いくら気づかないフリを決め込んでいたからって、鬼畜の恋人のフリを始めてまだ一週間しか経っていないというのに。
まさかこの短期間のうちに、鬼畜のことをこんなにも好きになってしまってるなんて思いもしなかったのだ。