【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
どうやら、《《この鬼畜》》(もう完全に確定だ)は、副業のことを黙っている代わりに、私にいかがわしいコトを強要しようとしているらしい。
いくら副業がバレずに済んだとしても、一千万の借金があるのだ。
それをこんなアルバイトだけで、どうこうできる訳じゃなし。どのみち時間の問題だったのだ。
借金が返済できなければ、どうせあの細身のニヤケ顔の知り合いだとかいう、”いかがわしい店”で働かされるのだろうし。
そうなれば、今まで通りに『YAMATO』で悠長に秘書なんかできる訳がない。
そのうえ、こんな鬼畜の奴隷なんかにされては堪らない。
――冗談じゃない。ふざけんなっ!
目の前で、どこかのアイドルのような甘いマスクには不釣り合いな、厭らしい腹黒そうな微笑を浮かべている副社長、もとい鬼畜。
私は、断固として、拒絶・対抗の意を込めて、鬼畜を強い視線で睨めつけた。
「あいにくですが、そういう訳の分からない《《コト》》には、《《協力》》いたしかねます。先ほど、助けていただいたことに関しましては、《《大変》》ありがたく存じます。《《勿論》》、規則違反の件も、厳正なる処分を受ける《《所存です》》ので。どうか他をあたってください」
そしてこれ見よがしに、ところどころを強調させつつ、視線と同じく強い口調で言い放ってやったのだった。