【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
蔵本から倍返しとばかりに、思いもしなかった事実が飛び出してきてしまい。
「はっ!? ど、どういうことですか?」
「あちゃー、やっべぇ……。隼に口止めされてたのに。お前があまりにも頑なだから口が滑ったじゃねーかよ」
思わず放った声同様、驚きを隠せないでいる私に対して蔵本は、しまった、という表情をルームミラー越しに浮かべた直後、私の所為だとでも言いたげな口ぶりでそんなことを言ってくると。
「言ったもんはしょうがねーから教えてやるけど、隼には言うなよ」
「……はい」
開き直ったようにそういって念押ししてから、事の詳細を説明し始めたのだった。
蔵本の話によれば、なんでも、兄が連帯保証人になった友人が借金を踏み倒して蒸発した際、老舗料亭『橘』の長男である兄に目をつけたあのチンピラたちが、店を安く手に入れるために裏から手を回して店の経営や金策の妨害をしていたらしい。
それを鬼畜が方々のツテを尽くしてチンピラたちの動きを封じ、それでもなかなか引こうとしなかったのをなんとか約束通り一千万で手を打つように仕向けたのだという。