【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
「……はぁ。あっ、それと、『雇用期間の定め《《なし》》』って、いうのは……どういう」
「あぁ、それはですねぇ。一千万を一年で返すとなると月々の返済額が多額になってしまい、負担も増えてしまいます。ですので、あの一千万は恋人のフリをしていただくにあたっての、僕からの《《報酬》》だとお考え下さい。
勿論、アルバイトも辞めていただきます。急な呼び出しにも対応していただかないといけないこともあるかもしれませんので。よって、期間は、僕の一存ということにさせていただきます。
あぁ、ご安心ください。『付随する諸々の業務全般』の報酬のほうも、月々しっかりと支払わせていただきますので」
わざわざ、こんな『雇用契約書』まで作って、しかも、一千万という大金は、”ただ恋人のフリをするにあたっての報酬”だというし。
”それらに付随する諸々の業務全般についても、月々の報酬がある”のだという。
それは、昨夜から、一体、どんないかがわしいことをさせられるのだろうかと、気が気じゃなかった私にとっては、意外や意外、願ったり叶ったりの好条件だった。
――この鬼畜にとっては、あまりメリットにはならないような気がするんだけど……。
なにやら釈然としないながらも、たかが一千万で人生を左右されてしまうような私に、金持ちのボンボンの考えてることなんて分かるわけないかと、それ以上深く考えることもなかった。