【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
「人聞きが悪いなぁ? 言っとくけど、僕はやめとこうって言ったんだよ? それなのに、高梨さんが、十年前のこと謝ってきて、僕のこと、『ずっと忘れられなかった』なんて言われたらさぁ。僕もずっと高梨さんのこと引きずってたから、拒むことなんてできないよ」
私の言葉に、酷く傷ついたような表情で返された、結城君の言葉に、頭を鈍器かなんかで殴られたかのような大きな衝撃に襲われて。
一瞬、目の前が真っ暗になりかけた……けれど、記憶がないながらも、身体にもそんな余韻なんて感じられない。
なにより、どうしても自分がそんなことを言ったなんて信じることができない。
確かに、結城君に再会して惑わされたりはしちゃったけど、私は隼のことが好きなんだもん。そんなことある訳ない。
ーーいくら酔ってたからって、いくら隼に腹が立ってたからって、私が隼を裏切る訳ないんだから!
「私の記憶がないのをいいことに、何好き勝手言ってくれちゃってんのッ? 確かに、結城君には悪いことしたって思ってはいたけど、今は好きでも何でもないんだから、そんなこと言う訳ないでしょッ?! 私が好きなのは隼だけなんだからッ!」
結城君をギロッと強い視線で射抜くように見据えて、啖呵を切った私のことを見下ろしている結城君の表情がミルミル変わっていく。